黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
暫く走って、すぐに暴走に合流した…―――――――わけではなく。
憐慈に説明するために、人が滅多にこない公園へとやってきた。
「どうすんだよ、これ」
「あとでそれを俺に貸してくれ。
たぶん、どうにかなる」
「どうにかなる、って……」
「パソコン使えばいいんだよ。
一人一人返してる暇なんかないし、面倒なだけだし」
「航太に頼むのか?」
「いや、これは航太には関係ない。
俺がやる」
パソコンで一斉送信しちゃえばいいだけのこと。
普段は全部藍に任しちゃってるからしないけど、
実を言うと私もパソコンを扱うのが得意だったりする。
「大丈夫なのかよ」
「心配なら、隣で見てるか?」
「…そうする。
けど、このことは出来るだけ航太には内緒ってことで」
「そうだな。
説教されそう」
あの航太のことだ。
なに勝手なことしてんの、って笑いながら説教してきそう。
だからまぁ、内緒ってことが一番いい。