黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
路地裏に入り込み、いつものやり方でやれば、見事にまけてしまった。
結局サツはこんなもんかぁ。
つまんないの。
もうちょい腕の立つ奴はいないんだろうか。
私の相手を出来る奴が。
このあと青龍の溜まり場に再び集まることになっているんだけど。
サツのせいで気を落としてしまった私は、溜まり場に戻ることさえかったるくなっちゃった。
でも、行かなかったら怒られるし心配をかけることになってしまうから行かないと……。
充分にはしゃいだ私はすっかり疲れきっていた。
「あ、遅かったね」
「ちょっとサツと遊んできたからな」
「遊ぶって…」
「鬼ごっこ的な?
まぁ、たいしたことなくてつまんなかったけど」
溜まり場に戻ってくるのは、どうやら私が最後だったらしい。
だからかみんな心配していたみたい。
これでも心配かけないように、早く切り上げてきたほうなんだけどなぁ……。
「サツと遊ぶのは勘弁してよ…?
もし捕まったりしたらどうすんの」
「捕まんないから大丈夫」
「万が一ってことがあるでしょ?」
「万が一も何もないから、平気だって。
心配し過ぎだから」
航太は心配性なんだろうか。
さっきから私が何度も大丈夫だって言ってるのに、納得いかないような顔して反論してくる。