黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
…―――で、酔うことなく一部始終を見守っていたのは、私と暁。
暁もお酒は強いらしい。
私の向かい側にいる暁は、大人しくお酒をのみ、みんなを見ていた。
時々私に視線を寄越すと、海翔と咲希斗を見て、〝大変だな〟とか〝大丈夫か〟とか気遣ってくれた。
結局打ち上げは深夜まで続き、今日は暁の家に泊まることになった。
暁人さんがいるということで、挨拶にでも行こうと席を立った。
この間来た記憶を頼りに部屋まで行くと、ちょうど部屋に入ろうとしていた暁人さんと鉢合わせした。
「月夜さん!?」
「お邪魔しています」
「こんな時間にどうなされたのですか?」
「暴走の打ち上げです。
暁に誘われたので」
「そうでしたか」
暁人さんは、暁とあまり似てない気がする。
じゃあ、母親似なのかなと思った時だった。
「あなた?
どうかしたの…?」
「結愛。
まだ起きていたのかい?」
「えぇ。
寝れなくって。
…君は、」
部屋から出てきたのは、綺麗な女の人だった。
顔をみて、すぐにその人が誰だかわかった。
おそらく、暁のお母さんだ。
目元や口元が暁とすごい似てるんだもの。
「麗桜月夜です。
麗桜組若頭で、暁が総長を務めている青龍の幹部でもあります」
「麗桜組の…!
でも、暁のお友達かしら?」
「はい」
「そう。
新しい友達が増えたのね。
あの子、無愛想だから友達が出来るか不安だったの」
なんだろう。
この人、……かわいい。