黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
宿泊学習①
なにもない日が二週間あまり続き、やってきたこの日、宿泊学習初日。
朝早くに学校に集められ、クラスごとにバスへ乗せられた。
私の隣には、今回特別に参加することになった理人がニコニコしながら座っていて。
私たちの右横には、同じ班の咲希斗と海翔がいる。
「ねむい、…寝る」
「ちょっと海翔!
寝ないでよっ!
僕つまんないじゃん」
「サッキー、じゃあ僕と話してようよ〜」
「まっちゃん、つっくんは?」
「見ての通りだよ。
もうすぐ寝ちゃいそうなんだ。
月夜、睡眠邪魔されるの嫌いだからさ」
理人の言うとおり、私は窓に寄りかかりながらうつらうつらしていた。
移動中何もすることがなくて暇。
だから寝ることしかないじゃん。
それに、向こうついたら早速勉強でしょ?
その前に寝といて体力を確保しとかないと。
まだ完全には眠りに入ってないからか、理人と咲希斗の話し声が耳に入ってくる。
「サッキーはBクラスなんだ」
「成績はいつもまぁまぁいい方なんだ。
海翔も僕と同じだよ」
咲希斗たちはBクラスなんだ。
初めて聞いた…。
「ねぇ、三日目一緒に遊ぼうよ」
「オッケー!
みんなで遊ぼっか」
他にもなにやら話してたけど、その時すでに私は夢の中だった。