黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
少し呆れながらも、私は頬を緩ました。
なんだかんだいって私も楽しいんだろうなぁ、今。
「おめぇら!
なにしてんだ、早く行くぞ」
「あーい…。
ちっ、勉強かよ…、めんど」
「三日目自由なんだし、それまでの我慢だよ。
我慢できれば遊べるんだから」
「でもよ〜」
相当勉強が嫌らしい來希と憐慈は、さっきから文句ばっか。
今更言ったって仕方ないじゃないか。
今回の目的は勉強であって、海水浴はあくまでもおまけ。
というか、勉強を頑張ったからそのご褒美としてのこと。
勉強しないのなら、そのご褒美も貰うことはない。
のだから、頑張らなくちゃ。
「あ、そうそう。
観月が言ってたけど、二日目の最後にテストやってそれが赤点だったら、三日目追試らしいよ」
「「……え」」
「つまり遊ぶことはできないってこと。
勉強頑張らない奴にご褒美なんてあげられるわけがねえ」
「「…」」
顔面蒼白。
まさにそれが似合うほどの2人は目を見合わせ、自分たちのクラスへ走って行ってしまった。