黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
二言くらいで済ましてしまったみたいだが、さっきから観月がぶつぶつ文句言ってるんだけど………、どうしたんだ?
「りじちょーっ!
お呼びですかぁ〜?」
勢いよくバァァーンとドアを開けて登場したのは、ちょっと髪の長い男の人。
後ろでちょんと結っていて、二重のたれた目をキラキラ輝かせている。
なんか初めて見る先生だぞ…?
「ここのクラス見てくれないか」
「りじちょーの頼みなら何でも受けるに決まってるじゃない!」
…………、ん?
「それにしてもりじちょーは相変わらずいい男ね。
今夜どう?」
…………、んん??
この人、男、だよね?
ま、まさかのオネェ系、ですか。
「俺はソッチじゃねえんだって何度言えばわかるんだ。
とにかく、頼むぞ」
「はぁい、任せて!」
観月が教室から去っていった途端、サッと雰囲気が変わった。
「やぁね、いい男があんまいないじゃないの。
…あ、紅蓮くんだっけ?
アナタいいわね、今夜どう?」
「いや、遠慮するッス」
眉間に皺寄っちゃってますよ、暁くんよ。
断られたこの人は、チラッと私に視線を向けたと思ったら、
「なぁに、この子。
かわいい顔しちゃって。
見てるだけでムカつくわ」
「………はあ?」
「なんで私は可愛い顔で生まれてこなかったのかしら」
「……………」
単なる嫉妬ですか。
それにしても、かなり強烈なキャラの先生だ。