黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
自分の部屋のベッドに座り、早速観月に電話をかける。
『もしもし』
「観月?
今なにしてんだ?」
『ちょっとトラブルがあって、…月夜ちょっと一階フロアに来てくれないか』
「は?」
『お前…、若頭だろう?
それ関連だ』
「……っ!?
…、わかった。
スーツ貸せ」
『お前の部屋があるフロアの1つ上のフロアが俺の部屋だ。
ついでに紅蓮もそこへ案内して来い』
「了解」
なにがあったかは知らないけれど、
観月の声色から、どうでもいいような些細なことのようにはどうしても思えない。
座ってたおかげか時間がたったおかげか、お腹のほうも大分落ち着いてきたところ。
「行くか……」
少し重い腰をあげて部屋を出た。
リビングには暁と咲希斗、理人、海翔がテレビを見ていた。
「……暁、観月の部屋まで案内する」
「おう」
「それと、帰り遅れるかもしれねえ」
「どうかしたの?」
「……トラブルがあったらしい。
俺は〝若頭〟として呼ばれた」
「……っ!
僕はいった方がいい?」
「いや、来なくていい。
観月もいるから。
理人はここで咲希斗たちといて」
「オッケー」
それだけ告げて、暁と共に観月の部屋へ向かった。