黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ






観月の部屋は、ワンフロア全体。

無駄にだだっ広いし、2人だけなのにこんだけの広さは必要ないんじゃない?






「広いな」


「まぁ、このグループを継ぐ者だからな。
暁はこの部屋にいてくれればいいから」


「…………」


「テレビでも見てろって。
俺着替えてくるから」






部屋を探し回り、観月のスーツケースが置いてある部屋へたどり着いた。


その中から一着、黒いスーツを拝借して着てみる。


って、あれ…?
これ、私のじゃん。


それは若頭の正装のスーツだった。


なんで……?



不思議に思いながらも身にまとい、リビングへ。





「行ってくるな」


「……!
行ってらっしゃい」







私が正装しているのに驚いたんだろう。

だけど何も言わずに見送ってくれた。









< 215 / 242 >

この作品をシェア

pagetop