黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
私のいるところは、ちょうど奴らから死角の位置。
そして、遠巻きにみている生徒たちもここにはいない。
ラッキー、かな。
「フッ」
奴の隙を見計らって地面を蹴った。
グッ
「なっ…!?」
「人質なんて…、卑怯だよなぁ?」
ガンッ
「ぐあっ…、っうぅ」
ナイフをもつ手を押さえ込み、奴の急所を狙えば一発で仕留め、そしてナイフを奪った。
「弱ぇ奴が粋がってんじゃねえぞ。
いや、弱ぇから虚勢を張ってんのか」
「つ、月夜さん!?」
「月夜、おせぇぞ!」
幸也くんと観月から声がかかる。
「幸也くん、だったか。
怪我はないか?」
「は、はいっ…!」
「なら良かった。
…下がってろ」
幸也くんが遠巻きのいる方へたどり着いたのを確認し、奴らへ目を向けた。