黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「俺らが潰した組は、……紅蓮組の傘下で。
傘下の中でもNo.3の地位にいた。
ここまで言ったら、…わかるんじゃないのか?」
「っ、まさ、か……!」
「八木原、組……?!」
「そうだよ。
その店の店長やって、クスリを売買してたのは八木原勤。
紅蓮組若頭の幼なじみだ」
やっと気付いた。
あまりにショックが強かったらしく、発する言葉も弱々しい。
「…嘘言うんじゃねえ」
「そうだよ!
勤がそんな事するはずがない!!」
「そうだな。
俺も話してみて、理由もなしにそんな事する奴じゃないってこと知ってる」
「なら…っ」
「でも、それは事実だ。
証拠だってある。
これがその店から押収したものだ」
昼間証拠として押収したココアの粉を見せる。
「ココア…?
コーヒー?」
「ココアの粉だ。
これにクスリが混じってる」
「それが勤が持っていたっていう証拠はあんのかよ。
お前らが用意した奴じゃないのか?」
「はあ。
まだ信じないのか」
「いくらヨルでも。
勤のこと悪くいうのは許さないよ」
そんなに頑なに信じなないって…。
それだけ、絆が強かったんだ。
暁たちと八木原は。