黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ








一気に逃げ出すように帰って行った神楽組。


情けねえのな。
こんな組と同盟を組んでいたのか、うちは。

見る目が衰えたか。






「月夜お疲れ様。
さんきゅな?」


「…観月。
こうなった経緯を教えろ」






観月が言うには、


この学校の宿泊学習のため、随分と前から貸切の予約をしていたらしい。

だが、つい先月あたりに神楽組から今日この日泊まりたいとの連絡があった。

当たり前だが、事前に予約していた方が優先される為断った。


だが、しつこくそれからずっと連絡があった。

そして今日、このように押し掛けてきたらしかった。


ちなみに幸也くんは、押し掛けてきた時にちょうどエントランスのドア付近で電話をしていたらしく、人質にとられてしまったんだとか。






「そうか…。
じゃあ、このスーツを持ってきたのは?」


「事前に俺んとこに神楽組からの電話のことは報告されててね。
万が一のために持ってきて置いたんだ。
ヤクザ関連は月夜担当だろ?」


「なるほどね」







そういうことだったのね…。


てか、







「それなら俺にも前から言えよ!」


「万が一、がないかもしれないだろ?
それに学校行事だから大事にはしたくなかったんだよ」







観月の言い分もわかるけど!


事前にいってくれてれば、それなりに対処は出来たはずだし、幸也くんだって他のみんなだって危険に晒されることはなかったはずだ。







< 223 / 242 >

この作品をシェア

pagetop