黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
いくら暴走族に入っていたって、元は一般人。
一般家庭で育ってきたんだ。
元から裏の世界の家に生まれてきた私たちとは違う。
怖いのは当たり前。
「………ッスよ」
「え?」
「そんなことないッス!!
そんなこと言うなら、総長たちだって若頭でしょう?!
僕ら総長たち怖がってるように見えますか?
月夜さんだけ怖がるのはおかしすぎます!」
「でも、俺は麗桜組で………」
「どこかなんて関係ありません!
最初はもちろんびっくりしたけど、月夜さんは月夜さんです!」
「ていうか、すごく格好良かったですよ!
1人で追い返しちゃうなんて」
じんわりと心が暖かくなる。
……本当に、嬉しかった。
麗桜組の若頭だと知っても、関係ないと言ってくれる、受け入れてくれる。
青龍のみんなは本当にいい奴らだ。
下っ端くんたちも、幹部も総長も。
きっと、先代たちが築き上げてきたんだろう、今の青龍を。
「ありがとう」
私を受け入れてくれて。
青龍は、心が温かい、仲間思いのいいチームだ……。