黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ







「僕、最初から知ってたよ」


「え…?」


「つっくんが、女の子だってこと」


「なっ!?」


「何回つっくんに抱きついてると思ってるの?
最初はまぁ、病弱な子なのかなって思ってたけど喧嘩強いし。
だったら女の子しか考えられないもん、あの細さは」






気付いてたなら、なんで言わなかったの?!






「必死で隠してたじゃん。
だから言わないでおいてあげよーって」


「な、なんだ…、びっくりした」


「多分だけど、暁も気付いてると思うよ」


「暁も…?」


「暁はもともと鋭いし。
薄々感づいてるけど、確信はないから肯定できない…、みたいな感じだと思う、まだ」







確かに、暁の目は綺麗で鋭くてよく周りをみてる。







「海翔も知ってる様子だけど、いつ知ったの?」


「修学旅行での遊園地でバレた」


「あ、2人で抜け出したとき?」


「あぁ」


「なるほどね〜。
で、本当の名前は?」


「え」


「女の子の名前。
月夜、って男の子の名前でしょ?」


「………、月乃」


「月はつくんだね。
月乃ちゃん、可愛い名前〜っ」








月乃なんて可愛い名前、男勝りの私に似合わないけど、気に入ってる。








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