黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
八木原と暁たちの仲を壊す気なんてない。
真実を聞けば、暁たちは絶対許してくれるはず。
今まで一緒にいたからわかる。
さて、どうするか。
まずはこの事実を信じてもらわないと話は先に進まない。
「どうやったら信じてもらえる?」
「どうやったって信じられない!!
勤は…っ、絶対そんなことするはずがない!」
「理由、があんだよ、やったのは」
「どんな理由があっても、勤はクスリを売買するようなマネはしねえ」
三人の瞳は、怒りが薄々浮かび上がってきていた。
絆は固い。
そう簡単にはいかないって分かってはいたけど。
「だったら。
これが八木原が売買してたクスリだって証明するか?」
「そんなことできんのかよ」
「出来るよ。
まずはクスリが入ってるかの検査。
次は…、指紋鑑定だ」
「……指紋?」
「八木原が売買してなければ、この袋に八木原の指紋はついてはいない。
そうだろ?」
「やればいい。
絶対ついてねえよ」
青龍は、ほんっと、真っ直ぐだな。
一度信じた奴には、疑うことなどしない。
そういう奴らだから。
青龍のみんなの、こういうところ、いいところだよね。