黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ








海、入れないのかなぁ……。

楽しみにしてたのに。




ていうか、髪の問題もあるじゃん!

今私はカツラつけてるわけで、海なんかに入ったりしたらとれちゃう。


カツラ外れたら、赤い髪だってことがバレちゃうし、紅蝶だってこともバレる。




………ダメじゃん。







「俺、ヨルの女姿……、見たい」


「はっ?!」


「そういえば見たことないね」


「…、女物の水着ならあるんでしょ?」


「あ、あぁ」


「理事長に相談してみよ」





急遽海翔の提案で観月の部屋へ訪れた私たち。


中に入ると、暁はどうやらいないようで観月だけがソファーに座りながらキーボードを叩いていた。






「おー、どうした?」


「実は…」






事情を話すと、私を馬鹿だと暴言を吐かれた後、





「だったら、女として遊べば?」


「は?
バレちゃうじゃん」


「俺の妹として、だけどな」


「妹?」


「そうすればバレないだろ?
他の細かいことは、コイツらに任すとして」





てことは、みんなの前では〝月夜〟としてではなく、観月の妹としているってこと、か。







< 234 / 242 >

この作品をシェア

pagetop