黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
だんだん、心が冷えていくのがわかった。
「――そう。
信じてくれなくとも俺は構わない。
困ることなんて1つもねえからな」
「っな!?
お前っ……!!」
「待ってくれ!!!」
バンッ!!
勢いよく開いた襖。
慌てて入ってきたのは……、八木原。
「つ、とむ……?」
「月夜くんは何も悪くない」
「つっくんを庇うの?
つっくんは勤に濡れ衣着せようとしたのに…?」
「悪いのは全部俺だ」
「なんで…っ」
「月夜くんの話は、全部本当のことだよ。
クスリを売買してた」
「何、言ってんだよ、勤。
嘘つくな」
「本当だよ」
もう、平気なのか…?
その顔を覗き込むと、まだやっぱりつらそうな表情(カオ)。
「つっくんに無理矢理言わされてるだけでしょ?!
本当のこと言ってよ!
脅されてるの?!
だったら僕たちが…――――っ」
「いい加減にしてくれ!
月夜くんのこと悪く言うなっ!!
まだ言うっつーなら、いくら咲希斗だって許さない」
「な、んで……?
なんで、つっくんを庇うの?
つっくんは嘘……、」
「嘘なんかじゃない。
さっきも言っただろ?
…月夜くんが話したこと全て。
―――――本当のことだ」