黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
あー、顔が熱い。
たぶん、顔赤いだろうな…。
「若…、って、まだそんな格好してたんですか!?
着替えてください、理人さんも。
部屋に用意してありますから」
「あー、うん、わりい。
八木原、少しそいつらと話してればいい」
「……うん」
「ま、待って、つっくん!!」
組員に着替えるよう言われ、部屋を出ようとしたとき。
咲希斗に呼び止められた。
〝信じられるはずがないでしょ!?〟
さっきの言葉が頭を掠める。
「なに」
「あ…っ、あの、その………!」
「用がないなら行くけど」
ビクッと震えたのがわかった。
冷え切った私の表情をみて、咲希斗たちは何を感じただろう。
それはたぶん、〝恐怖〟。
昔から、小さい頃から怖がられていた私にとってはもう慣れっこ。
だったはずなのに、ね。
ギュッと胸が締め付けられるのは何でなんだろう。