黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「どうした、勤くん」
優しく尋ねる月夜の親父さんは、勤がこれから何を言うのかわかっているようだった。
1つ息をのんだ勤は、ゆっくりと口を開いた。
「…暁人さん。
俺を、紅蓮組系列から外してください」
「「「………っ!?」」」
「何を…、言ってるんだ?」
「あんな事をして迷惑を掛けた以上、紅蓮組系列には居れません」
勤が、…外れるだと?
いくら罪悪感があったって、外れることはないんじゃねえのか?!
それに、俺らは幼なじみだ。
迷惑ぐらいかけたっていいじゃねえかよ。
思ったことを、そのまま口にした。
親父も俺に同意してて。
でも、勤は首を縦に降ることはなかった。
「俺が、…辛いんです。
罪悪感に押しつぶされそうなんです、紅蓮組にいると」
「なら、私が引き取りますか。
そうすれば、いつでも暁くんたちに会えますし、罪悪感も……」
そう提案したのは、海翔の親父さん。
そういう手があったか。
だったら、勤も……。
そう思ったけど、また首を横に振る勤。
「なんでだよ?!
お前、どうするんだ、これから…っ。
住むとことか…!
ヤクザの世界から、抜ける気なのかよ」