黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
月夜に入らせて、って言うってことは、麗桜組に入らせてくれってことだよな?
なに、言ってんだ、勤………。
麗桜組はNo.1のヤクザなんだぞ?
「…無理して入ることはないんだぞ?
確かに、俺は勤を誘ったが…」
「無理なんかしてない。
よく考えて決めたことだ。
俺…、月夜くんみたく強くなりたいんだ。
人を守れるような男になりたい。
俺、これから月夜くんに着いていきます」
「ふっ。
わかった、いいだろう。
ただし、紅蓮組組長が許してくれるなら、の話だがな」
月夜が、勤を誘ったって、…どういうことだ?
「説明、してくれないか……?」
「そうだね。
俺から説明すると。
八木原をつれて、店から紅蓮組に向かう車の中で、俺が八木原を麗桜組に来ないか誘った」
「なんで…、だ?」
「八木原がこれから紅蓮組に残ることになったとしても、八木原にとっては苦しいんじゃないかと思ったのが1つ。
さっき本人が言ってただろ?」
「あ、ぁ…」
「それと、八木原は鍛えれば、すごく強くなるからだ。
八木原には資質がある」
月夜の目が、鋭くキラリと光った。
月夜の顔は今、若頭としての顔で。
俺たちも若頭なのに、全く違う。