黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
仲直り
「今日からこの部屋を使え。
この部屋の左隣が俺で、前が理人の部屋だ」
勤がこれから暮らすことになる部屋まで案内した。
…………、まさか、勤がこの誘いにのるとは思ってはいなかった。
いや、のってほしくなかったわけじゃない。
寧ろ、良かったって思ってる。
ただ、暁が勤のことを大切だと思っているように、勤にとっても暁は大切な親友なはず。
だから、紅蓮組系列に残るんだと思ってた。
「月夜くん、…ありがとう」
「礼なんてしなくていい」
「いや、しなくちゃ、俺の気が済まねえんだ。
俺さ、もっと強くなりたい。
大切な人を守れる強さが欲しい。
月夜くんみたいになりてえんだ」
「俺みたくならないほうがいいと思うけど。
暁のほうがいいんじゃないか?」
暁は、私と違って嘘なんかつかない。
何より、仲間思いで、人を纏める力がある。
黒蝶の総長である私が認めるほど、暁は強い。
「…確かに、暁みたくもなりてえけど。
俺、クールキャラじゃねえからさ?
それに小さい時から一緒にいるから、尊敬とかは見れないんだ」