黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ







「………っ!?」


「お前は言った。
〝信じられるわけないでしょ?!〟
って。

それで月夜がどれくらい傷ついたか、わかんのかよ?」


「知ってるよ、つっくんが傷ついたってこと。
だからっ!
謝りたいって言ってるの…っ!!」


「謝ったって、すむことじゃない!
謝ったら、月夜は優しいから許してくれるかもしれない。
でも俺は許さない!!

大事な幼なじみを傷つける奴らは、いくら友達であるお前らでも、な」






どんどんエスカレートしていく口喧嘩。


このままいったら、手が出てしまうほどの喧嘩に発展してしまう。


そして、その喧嘩に有利なのはもちろん、…――――理人だ。



理人も咲希斗も、私にとって大切な幼なじみと親友だ。

2人が喧嘩をしようとするなら、止めなければ。





「咲希斗も海翔も暁も。
月夜の話をまったく信じなかった。

幼なじみがそんな事したら信じたくない気持ちはわかる。

でも、月夜だって仲間だろ?

―――…なのに、頑なに月夜のことを信じることは少しだってしなかった」





胸が軋む。

理人の言うことは的を得ていた。


普段から信じてくれていたのなら、少しは信じてくれるはずで。



でも、明らかにその少しも、私のことを信じてる様子は見られなかった。



それが意味するもの。


そんなの、前々から知っていたはずだ。

だけど、信じられてないんだと改めて実感させられると……、キツい、辛い。







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