黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「……で、暁たち、悪かったな、理人が」
「……いや、別に。
月夜、麗桜組の若頭だったんだな」
「ああ。
………少し、話すか。
それと理人、真咲さんが呼んでた。
急用っぽいから、今すぐ居間に」
「……ん、わかった」
軽く頷き、部屋から出て行く理人の後ろ姿を見送り、暁たちに向き直った。
うーん、気まずいなぁ、もう。
話そう、とは言ったけど、何を話すんだ?
私が麗桜組若頭だってバラしちゃったし、隠してた理由も話しちゃったし………。
もうなくね?
「つっくん、ごめん!」
「……だから、構わないって言ったろう」
「っ、そんな冷たくしないでよ!?
僕、勤のことでカッとなっちゃって思ってもないこと言っちゃって………。
もっと、僕を責めたっていいんだよ?
親友でしょ?!」
「責めて、どうするんだ?
別に俺は責める気はないし、てか怒ってもいない。
だから、気にするな?」
小さく笑いかける。
そう、怒ってはいない。
―――ただ、少し悲しかっただけ。