黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ








けど、

例え知らなくても、私を仲間だと言ってくれてありがとう。





「月夜〜!
まだ青龍のみんなとお話ししてたんだぁ」


「理人、話は終わったのか?」


「うん、終わったよ?
仲直り…、は出来たみたいだね、良かったじゃん」






戻ってきた理人はもう、いつもの理人だった。


いつもどおり、女の子顔前の笑顔。





「まっちゃん。
…まっちゃんも、ごめん。
僕、言い過ぎた」


「ううん、ヘーキヘーキ!!
…あっ、そうそう。
親父から、月夜に伝言」


「ん?」


「これから紅蓮組らとは関わる回数が増えるみたいなの。
組長同士が仲良くなっちゃったみたいでね。
で………」


「で?」


「月夜が…、その、なんていうんだ?
僕たちと海翔だけが知ってる、月夜の秘密を、……暁たちに言っといたほうがいいって」






それって、…私が女だってことを?






「関わる以上、暁たちだって知っておいたほうがいいって」


「そう……。
でも、学校は?」


「理事長が観月さんだから大丈夫でしょ。
従兄だし。
てか、そもそも、暁たちが口外しなければいいだけ」





そっか。

言わなきゃ、いけないのか。



暁たちは、私が女だと知ってどう思うだろうか。






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