黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
でも、なんで、暁たちに言わないで、なんだ?
「…いいよね」
有無を言わさないその言葉。
さっきは疑問形だったのに、命令形という…。
仕方なく、首を縦に振れば手を話してくれた。
「わかった。
けど、いずれは話さなきゃいけない」
「…うん。
1ヶ月、延ばしてくれればそれでいい」
「でも、どうして…?」
「さあね。
あとでわかるんじゃない?
…俺、もう寝るね、眠いから。
おやすみ」
「は!?
って、はや!!!」
話が済んだのか、既にひいてあった布団に潜り込み、スースー寝息をたてる海翔。
さっすが……。
「月夜。
なんで、その秘密、海翔だけ知ってんだ」
「俺から教えたわけじゃない。
偶々、バレちまったんだよ、海翔には。
ただ、暁たちには絶対言わなきゃいけないことなんだ。
だから海翔との約束、一ヶ月後、暁たちに言う。
約束する」
「…………、わかった。
一ヶ月後、必ず」
それから、夜も更けてきたということで、お開きとなった。
暁たちも布団に入り、理人と私もまた部屋に戻り、眠りについた。
久しぶりに落ち着いて寝れた気がする。
だからか、とても懐かしい夢を見た。