黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
足手まといになってもいいなら、という暁の返事を聞き、早速キッチンへ。
「何すればいいんだ?」
「んー、今日は簡単なメニューにしよっかな。
じゃあ、とりま手を洗って、野菜洗ってくれる?」
暁に、キュウリ、トマト、レタスを手渡し、流しの所まで案内する。
終わったら教えて、と言い残し、私は別の作業へと入った。
フライパンに油をひき、卵を割っていれる。
朝ご飯の定番っていったら目玉焼きでしょ。
フライパンが大きいのもあり、一気に八個くらい作れるから時間も短縮できる。
まあ、めんどくさいのもあるんだけど。
「終わった」
「ん、了解。
じゃ、次はその野菜を切って。
…切れる?」
「…………、微妙」
「だよな。
じゃあ、最初だけ切り方とか教えるから」
キュウリ、トマト、レタスの切り方を最初の1つだけ見本として俺が切って教えた。
暁は飲み込み早くてしかも器用だったから、すぐに切れるようになって。
「暁って、何でも出来ちゃうんだよなー。
苦手なもんとかあんの?」
「……ある。
動物とケバい女」
「ぷっ!
ケバい女って…!
でもわかるかも。
てか動物駄目なんだ?」
「あぁ、ちっちぇー時、犬に咬まれてからどうしても無理。
…そーゆうお前はどうなんだよ」
…………私には聞かないでほしかった。