黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「月夜、理人。
あとは俺たちに任せてください」
「さんきゅ。
なんかあったら、すぐ連絡くれ」
「当たり前ですよ。
では」
藍の言葉に甘えて、先に帰らせてもらうことにした。
親父に報告しなきゃなんねえし、真咲さんにも頼みごとあるし。
今日はゆっくり休めると思ったんだけどな。
家に着き、居間へ入ると……。
「暁たち、まだいたのか?」
てっきり帰ったかと思っていた暁たちが、親父と何か話していた。
それも、楽しそうに。
しかも、暁たちの親父さんたちがいない。
いるのは暁たちと、暁たちの側近だ。
「暁くんたちは月夜たちを待ってたんだよ。
…で、どうだった」
「真咲さんを呼んで欲しい」
「わかった。
おい、真咲呼んできてくれ」
しばらくすると、笑顔の真咲さんが部屋にやってきた。
それまでは、暁たちの鋭い視線に堪えていて…。
たぶん、私たちが黒蝶の溜まり場に行ってきたからだろう。
暁が聞きたいことは大体想像がつく。