黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
力強い瞳で見つめてくる暁に、私も見つめ返す。
「…それは、できない」
「っなんで…!?」
「確かに、今の俺らにだったら黒蝶に伝えることは出来るかもしんねえ。
暁たちが本気で会いたい気持ちもわかる」
「っ、なら!」
「だけどな。
俺は黒蝶に、組の〝仕事〟として行ってるんだ。
そして向こうも、〝応援〟として俺たちを呼んだにすぎない」
「…………っ、」
「公私混同はしたくねえし、それは向こうにも迷惑な話だ。
―――わかるな?」
「だけど…っ」
まだ諦めない、か。
「それに今、闇鬼のことでこれから黒蝶も忙しくなる。
忙しい中会うわけにもいかねえだろ」
「そうだけどっ!
でも今のチャンス逃しちゃったら…!」
「なぁ、そもそもの話だ。
なんでおまえ等は黒蝶の接点のある奴を通して頼もうとする?」
「え…?」
「黒蝶の情報参謀の番号くらい知ってんだろ?
自分からコンタクトとればいい。
会いたいなら、自分で動け。
事前に連絡して、約束をとれば正式に会えるだろう。
……まあ、向こうが約束してくれたらの話だが」