黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「お袋と親父が元々ちっちゃいんだよ。
遺伝だよ、い・で・ん!!」
「えー?
シュウは大きかったじゃん」
「修亮は別だ!」
修亮はちゃんとした男の子だもん。
昔は同じぐらいだったけど…、それは幼稚園ぐらいまでの話。
しばらく会ってないけど、今じゃ私よりデカくなってるだろう。
いくら双子だからって身長まで同じくなるはずがないでしょ?
「シュウ、今何してるんだろうね…」
「だな。
…今度、親父に聞いてみる」
「香月さんのこともね。
月夜、会いたいんでしょ?」
「…うん。
何年も会ってないし」
「ねえ、つっくん、まっちゃん。
〝シュウスケ〟と〝カヅキ〟って誰?」
……あ、そうだった。
咲希斗たちもいたんだったんだよね。
余計なこと話しちゃったかな?
「月夜の大切な人たちだよ」
「大切な人…、って?」
「話すと長くなりそうだから、溜まり場ついたら話すよ。
さ、出発するか」
いつもの私だったら、身内の事なんて何言われても話さなかったと思う。
話そうと思ったのは、ただ単純に、
暁たちになら、話してもいいかな、って思っただけ。