黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
いつものようにバイクを発進させようとしたとき、腰あたりに大きな腕がまわった。
…そういや、うしろに暁がいたんだったな。
他人からみたら、おかしな光景だろう。
憐慈たちがみたら、笑われるかな?
まあ、いいや。
たまにはこうやってふざけるのも、いいのかもしれない。
最初は、暁に何故だか遠慮してしまって遅めに走っていたものの。
結局は、理人たちと人通りのないところで競争したり…。
さんざん遊びまくった。
「海翔やるじゃん!
僕らに付いてこれるなんてすごーい」
「すごい自信、理人」
バイクの運転は、自分で言うのも何だけど、プロ以上だと自負している。
誰にだって負ける気がしない。
そんな私たちに付いてこれるなんて、さすが海翔。
青龍幹部だ。
海翔はただふざけて言っただけだと思ってるんだろうな。
理人はガチで驚いてる。
まあ、うしろに暁と咲希斗を乗せてるから、本気は出してないけど。