黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
うしろに人が乗ってても気にしてなかった。
咲希斗のときもそうだったし、もうちょい考えたほうがいいのだろうか?
たまり場にいくと、まだ理人たちはついてないらしい。
かわりに、航太たちが入り口の前で何やら話し込んでいた。
バイクで近づいていくと、こちらに気づいた憐慈が手を振ってきた。
「おーい、月夜〜!
おかえ……、っは?!
え、あ、暁!!?」
「っ!?
ま、まじだ!
暁のやつ、月夜と二ケツしてやがる…!」
「珍しいね…。
こんなにびっくりしたの久しぶりだよ」
私のうしろに乗ってる暁を目に入れた途端、口をあんぐり開けて驚いてた。
暁は総長だし、うしろに乗る自体最近はなかったんだろう。
しかもかなり身長差のある私のうしろってもんだから、尚更。
「いろいろ事情があったんだよ。
あとから理人と咲希斗と海翔も来るから」
「へえ。
あ、そういや、暁たち三人って昨日組で食事会なんじゃなかったっけ?」
「……そうだが」
「無事に終わったの?」
「…、まぁ、無事…、ではなかったか…」
「え?」
「咲希斗たちが来たら、話す」
あぁ、まだ航太たちは知らないんだっけ。
一体航太たちはどんな反応するんだろう。
勤のことも、…私たちのことも……。
航太たちは一般人なんだ。
怖がるかもしれない。