黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
だけど、
きちんと話さなきゃ。
それに、航太たちはヤクザの息子である暁たちと仲良くしてるから、…もしかしたら受け入れてくれるかもしれない。
そう思うと緊張が少し和らいだ。
「あっ、来たみたいだよ、三人とも」
「お待たせ!
月夜やっぱり撒くの早いね〜」
「慣れてっし。
しょっちゅうやられてたら、早くなるっしょ」
「えっ、いつも着けられてんの!?」
「あー、まぁ、な…」
黒蝶総長であるんだから、当たり前。
いや、黒蝶メンバーになった時からずっと。
No.1を狙ってる奴らばっかだからな〜。
「バイクテクは月夜うまいし、なんでも完璧すぎなんだよね、ほんと。
羨ましすぎ」
「言えてる!」
「あのさ、そろそろ話聞きたいんだけど」
「あぁ…、」
組のことだよなぁ…。
「中、入って話そう。
長くなるから」
「わかった」
幹部室に入ってから、しばらくみんな黙り込んじゃった。
たぶん、なにから話せばいいのか、とか迷ってるのかな。
來希たちは、私たちが口を開くのを待ってると……。