黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
それから十分が経ったころ、ようやっと航太が口を開いた。
「……納得したよ」
「は?」
「月夜くんの喧嘩の強さ、そして何度調べでも出てこなかったこと。
麗桜組が相手じゃ、適うはずがないよ」
「ははっ、やっぱ月夜すげえや!」
「怖がらねえ…、のか?」
「怖がる?
何バカなこと言ってやがる」
來希がソファーから立ち上がり、私の前まで来た。
そして、
「お前は仲間だろう。
仲間を怖がる奴がどこにいる?」
「來希…」
「そうだぜ、月夜。
逆に、嬉しいよ。
麗桜組若頭ってゆうすげえ奴と仲間になったこと。
こんなこと普通はまずないだろうが」
「憐慈……」
「來希と憐慈の言うとおり。
月夜くんは俺たちの仲間なんだから。
自信持ってよ」
「………航太。
みんなありがとう」
そうだ、コイツらはそういう奴だ。
よかった、こんな奴らに出逢えて。