ｏｎｅ
廃棄
「なぁ！優、今度の休みどっかいかへん？」
「・・・。」
「ちょお、聞いてんの？」
「聞いてるよ。」
「聞いてんねやったら、うんとか、すんとか言ったらどおなん？」
「五月蝿いな。めんどくさいからどこもいきたない、ってか私バイトやし。」
ホンマはバイトなんかないけど、なんとなくめんどいから隆からの誘いを断ることにした。

ぶっちゃけ、何でこいつと付き合ってんのかよくわからん。
付き合ってもう二年半位になる。
きっかけは、バイトの先輩の紹介という、何とも有りがちな展開である。
向こうが付き合いたいと言うから何となく付き合う形に。正直どうでもよかった。
向こうは私に本気らしいが私は別に好きではなかった。

「俺とバイトどっちが大事なん？」

頭の中でどうでもいいことを考えていたら隆がえらく馬鹿なセリフを吐いた。
「バイトに決まってんじゃん。」

私は即答だった。

< 1 / 10 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop