one
4月に入り私は社会人となった。

家から片道二時間半かけての出勤に最初は死にそうになったが、なんとか慣れて前ほど苦痛ではなかった。


もちろん帰りも二時間半かけて帰るわけで・・・。
帰ったらさすがにくたくた。

何もやる気がわかない。

朝も5時半起きだ。当然慣れない仕事で精神的にも肉体的にもまいった状態である。

ご飯を食べて寝るだけの生活が続いている。


その間も隆からの連絡はひっきりなしにくる。

電話がなった。
「もしもし。」

「優?何で連絡あんまくれやんの?」

「だから言うてるやん、仕事忙しいし疲れてるって。」

「疲れてても連絡くらいええやん!心配するやろ。何してるか全然わからんしさぁ。」

「はぁ?意味わからんし。何してるかわからんて、仕事や言うてんやん。日本語理解できてる?てか疲れてんねん。切るで、何も用事ないし。」


「電話くらいもうちょいさしてや。寂しいやん。ていうか優仕事とプライベートな時間はきっちりわけて、休みとかあそばな損やで。」


「人の勝手やろ。隆はそれが出来るかもやけど私はそんなに器用ちゃうし。てかイライラするから切るで。」
プーッ・プーッ・プーッ・・・





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