恋模様
「わぁ、すげぇなっ!!こんなわくわくしてんの久しぶりだ」
敦のカメラを借り、レンズを覗いた
「ここでシャッターを切るんだ」
隣で敦がカメラの使い方を教えてくれている
こうしていると、敦が余程カメラが好きなのだと感じる
「敦が言ってたレンズごしの世界、自分も感じられっかな?」
今の自分の顔は嬉しくて、絶対にやけてる
敦は驚いたのだろう
少し顔が朱くなっていた
「感じられるよ」
敦の優しい眼差しに初めて覚えるドキドキ感あった
「敦はいつからカメラを握ってたんだ?」
ドキドキが更に大きくなる
「小学校の時からかな」
「そんなに昔からなのか、んじゃこのカメラも昔から使っていたやつなのか?」
「違うよ。それはじいちゃんの形見なんだ」
ばっ…
持っていたカメラを敦の手に無理矢理返した
「そんな大事な物、人に貸したりしちゃ駄目だよ」