恋模様
「はい、これ」
そう言って手渡されたのは、一枚の写真
「これ…」
「何々?」と円香とヤスが気になったのか、顔を除かせて来た
「上手く撮れてるか分かんないけど…」
敦が頭を掻く
写真はこの前二人で見た、あの空が写っていた
「いいのか?」
「うん、約束だからね」
手の平にある空の写真
何処までも続く真っさらな青
「ありがとなっ」
自然と笑顔になる
「ど、どう致しまして。んじゃ、俺はこのへんで…」
写真に夢中になっている間に、敦は帰ってしまった