恋模様
「敦、大丈夫か?」
その声は…
「柊さん…?」
ぼやけた視界からは、人の顔までは見えない。だか、そこに人がいることは分かる
「あ、眼鏡は大丈夫そうじゃないか…」
肩に手が置かれた。その手の温もりが伝わってきて、体の力が抜けたような感覚になった
「柊さん…ってそんな場合じゃ、逃げてください」
「え?逃げるって…助けに来たのに逃げはダメだろうが」
「へ?」
肩に置かれた手が離れていく
「大丈夫!!喧嘩なら負けたことないし。それに、お前のカメラ取り戻さなきゃな」
「柊さん!!」
足音が遠くなっていく
「さぁ、かかってこいやッ!!」