恋模様
ポタポタポタポタ…
「そ、爽!!」
円香の悲鳴に近い声が聞こえる
パイブで殴られたのだと思う。一瞬意識が飛びそうになった
「て、てめぇ!!」
「ははは、ざまぁ見ろってんだよッ。なめんじゃねえぞ!!」
神谷がパイプを片手に声高々に笑っている
「よくも、爽に…」
「待って!!」
頭を殴られたせいで、足元がフラフラする
「柊さん…」
眼鏡がないとは言え、円香のあの声を聞いたら何かあったと思うのは当たり前か…
「大丈夫。でも、一応救急車を…円香ならここの場所しってると思うから…」
「わ、分かった…」
敦が携帯を取り出し、円香が敦の元に寄って来ていた
「爽、大丈夫なのかよ…」
ヤスの心配そうな声が聞こえた
「大丈夫だ…。それに、借りをあの先輩に返そうと思ってな…」