恋模様
睨み付ける
「な、何だよ…」
「あなたはまだ分かってないようですね…。折角、手加減してあげたのに…」
傷口を押さえていた手を離すと瞬く間に血が流れる
「自分借りを作るのが嫌いでな…」
神谷に近付く
拳を握り、一発殴った
「これは頭を殴った分。そしてこれは…」
もう一発殴る
「敦の眼鏡を壊した分だ!!」
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遠くから救急車のサイレンが近くなって来た
相変わらず、血が止まらない
円香のハンカチは真っ赤になっていた
「もうすぐ着くからね…」
意識が朦朧とするなか、円香の泣き顔と敦の申し訳なさそうな顔が見えた
「大丈夫だから…そんな顔、すんなよな…」
自分が覚えているのはここまで。
次に目を覚ました時に写ったのは病室だった