恋模様

恋嵐−コイラン−




触れた唇



鼻にかかる吐息



「爽好きだ…」



ヤスの口から出た言葉



「好きだって言われても…」



曇天の空を見る



あの日、驚いて走り去ってしまった



いつも一緒にいた佐伯康弘



近すぎたからそんな感情なんか感じたことはない



あの日から一度も顔を合わせていない



「あー、むしゃくしゃする」



頭を掻きむしる



何でこうなったんだ?



考えても考えても出口は見えない



「いっそ、あたしが男ならよかったのに…」



「何が?」



「ま、円香!!び、び、びっくりするだろうがっ!!」



いつの間にか円香がいた







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