恋模様
「なんか、気になっちゃって…」
「あはは…」とか言ってごまかす
7回も聞くと言うのに、康弘は答えをくれない
「お前には関係ないだろ」
いつもこの台詞
だから今日は康弘の本音を知ろうと、立ち去る康弘の腕を無理矢理掴んだ
「何すんだよ!」
康弘は掴まれた手に驚いた
「いつもその台詞が俺に通用するとでも?」
「……」
沈黙が走る
今は放課後ということもあり、賑わっていた
しかし、この廊下には人通りがなかった
康弘が俺や柊さんたちを避けて帰っているから、遠回りで人が通らないようなこの場所を通るのだ