恋模様
−ガラッ、ピシャン−
ドアをおもいっきり閉めてやった
「くそ、川住めっ」
いつものようにポケットに手を突っ込もうとしたが
「あぁ、今スカートじゃん…」
スカートにはポケットがなかった
「気をつけねえとな。大股の歩きかたも」
教室の方向を向き、いざ行こうと一歩踏み出す
「あっ」
「あ…」
「敦…」
「柊さん…」
曲がり角から敦が歩いて来た
「どうしたんだよ?お前もパシられたのか?」
一見、冷静に物事を言い放っているものも、胸の中はドキンドキンと脈を打っていた
授業中にあんな事考えていたからぁ…
「パシリ?違うよ。先生に用事があって…」
「そ、そうだったのか」
緊張しているのか、ハハハとロボットのような笑いかたになってしまった