恋模様



「何だよ話って…」



屋上にヤスを呼び出した



「あぁ…、この前のことなんだけどさ…」



ヤスが真っ直ぐあたしを捉えてくる



「っとこの話の前に…。円香そこにいるんだろ?」



屋上へと続く階段の隅に声をかけると、すぅっと影が揺らいだ



「ばれましたか…」



「いや、ばればれでした」



階段の方から円香が歩き近づいて来た



「何でお前がいるんだよ!?」



「お前とは何よ。失礼しちゃうっ!!」



ヤスと円香の口論が始まった



円香はヤスが好き



ヤスはあたしが好き



あたしは…



あたしは敦が好きだった



「ヤス、あたしの答えはNOだ」



口論していた二人が、同じタイミングであたしに振り向いた






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