恋模様
「な、どうしてだッ?理由は?」
ヤスがあたしに言い迫って来た
円香はどうすればいいのか分からないって顔をしてる
「理由?そんなの簡単だ。ただ、あたしがお前をダチ以上には見れなかっただけだ」
二人に背を向け、さっき晴れたばかりの雨上がりの空を見上げた
あ、虹だ…
「お前は、敦が好きなのか?」
びくっと一瞬、体がはねた
−ヤスと付き合った記念−
「違うな…」
「何が違うんだ!?」
「爽…?」
二人を振り返り、なるべく笑顔で…
「あたしは敦が好きなんじゃなくて、敦の撮った写真が好きだったんだ」
二人の顔が驚いたような、不思議がっているような変な顔をしていた
「それにな、ヤスの傍にはちゃんと男として見ているヒトもいるしな」
「誰だよ…」
「…………」
「えっ、円香!?」
驚いた顔をする
「後は二人の問題だからあたしはおさらばするな」
「ちょっと爽!!待ちなさい」
円香の呼び止めの声がしたけど、あたしは振り向きもせず屋上を後にした
だって振り向いたら
「っ…、ふぁ…」
泣いてることバレバレだかんね