恋模様
「爽、頭爆発してるしっ」
円香が約束通りに迎えに来てくれたものの、あたしは全く準備をしてなかった
「ほら、頭とかしてあげるから」
「はぃ…」
頭をとかしてくれる円香の手がキモチいい
「はい、出来た。でも、爽、髪伸びたね〜」
「まぁ、1年も放置してればこうもなるって…」
靴を履きかえる
「あっ、爽学校に行くのか?」
「兄貴…、あぁ、そろそろ卒業だしな」
「いってこい」
「言われなくとも行きますよ」
ドアを閉める
「さっ、行こうか。円香」
「うん」
………………………………
……………………………
………………………………
「あっ、爽!!久しぶり」
「爽!!元気だった?」
「見ないうちに髪伸びたね」
久しぶりの登校もあってあたしの机の回りには人で溢れていた
それほど心配をかけたということだな
「みんな、心配かけたな。でも、もう大丈夫だ。みんな、ありがとな」
出来るだけ元気に見せようと、笑顔を作って見せる
うん、大丈夫、大丈夫だ
おまじないのように自分に言い聞かせていた