恋模様
「やっぱり、来ると思ってたぜ」
「ま、まぁね。あんたが意味深なことを言うからそれを確かめに来たってとこかな」
驚きで高鳴った鼓動を押さえながら佐伯に向き直った
「んで、敦君の写真は?」
「あぁ、こっちだ」
「?」
なんか…みょうに落ち着いてるな
そう思いつつ、たくさんの人込みの中、佐伯を見失わないようについていった
「ほら、これだよ」
「これ…?」
佐伯の指差す方向を見つめる
「えっ…、これって…」
その絵に目が奪われる
「これがアイツの答えなんだ」
答え…
昨日の佐伯の言葉を思い出す
「俺も同じことしてたと思うしな」
「えっ…、どういうこと?」
「用するに、好きだからあえて酷い言葉を並べたんだ」
「好きだから?」
「そう。好きな女には幸せになって欲しいしな…」
「それって…」
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「佐伯…、爽に伝えなくちゃ。爽は勘違いしてるんだもん」
「あぁ、確かにな…」
「あたし、爽連れてくる」