恋模様



「いたっ…」



尻餅をついた



「痛ぁ…、さすが柊さん。効いた……」



ガバッ



「!?」



何が何だか分からなかった



殴られたと思ったら、抱きしめられ



「敦、好きだ」



こんなに嬉しいことはないと思った



「うん、俺も」



やっと止まっていた時間が動き出した、そんな気がした



「あれが敦の恋模様なら…」



「えっ?」



「あたしの恋模様はこれかな…



そう言って、一枚の見覚えのある写真を差し出した



これは…



顔が綻ぶ



「あのとき空って、こんなに綺麗だったんだな…」



「そうだね」



「もう離れるなよ…」



「うん」







< 94 / 96 >

この作品をシェア

pagetop