勇者な二匹



いや、申し訳ない。あなたではないのですよ、リオン先輩。


「俺なんかした…?」


あぁ!!小首を傾げて聞くなんて反則ですよ!!可愛すぎますよ!!いやぁー!!


「す、すいませんリオン先輩。リオン先輩じゃないんです…。」


「本当?よかったぁー!!」


あぁ!!無邪気に喜ぶ姿がまた可愛らしい!!ペットにしたい!!

…いや、兎が狼をペットとして飼うなんて可笑しすぎるけど。その思いを諸ともさせないその可愛さは罪だ!!


「…まさかとは思うけど、俺じゃねぇよな?」


この空気を一瞬で凍らせちゃうほど低い声をお出しになられたのは、今、全く話題に出てこなかったウーラ様で。



「い、いえ!!とんでもございません!!あなた様に言うなんてそんな恐れ多い!!ただの独り言です!!ってゆーか、寧ろ自分に向けていった言葉です!!

紛らわしいことして、ほんと、すんませんっした!!」


野球部の掛け声並みに声を出したつもりだ。いや、野球の観戦とかしたことないから解んないけど。

そこへ、問題はさらに降りかかるわけで。


一難去ってまた一難、なんて言葉を造ったやつも最悪だな。


いや、最早三難ぐらいいっちゃんてんじゃねぇか、これで?


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