勇者な二匹
「そうだ。だからお前は数少ないSクラスの一員。」
「あぁー…。」
確かに僕はSクラスだったが、今までSクラスにいる理由を考えたことがなかった。
「まぁ、呼び出した中にはSクラスじゃない奴もいるがな。」
「その人たちはなぜ選ばれたんです?」
会長より勝っている人がSクラスなら、Aクラスの人はなぜ指名されたのか。
「それは、協調性に優れているからだ。
これは国からの要請でな、頭脳派と肉体派の二人一組で行動するのが原則なんだ。
…まぁ協調性に全く優れていない例外がいるけどな。」
そう言って会長はウーラの方を見た。
「…ちっ。悪かったな、協調性に優れてなくてよ。」
「全くだ。本来なら絶対にあり得るはずのない人選だからな。」
「そういうてめぇも充分人間性とかに欠けてるけどな。」
「ふっ。馬鹿だな、貴様も。
俺は人望に厚いから生徒会長を務めることができているのだ。
貴様と一緒にするでない。」
なんか、会長とウーラとの間に火花が散っているように見えるのは僕だけだろうか…?
「…つーか、そんなことはどうでもいんだよ!!」
そういきなり声を荒げたのは、会長弟のベラルーシで。
「何だ、どうした。」
冷静に返答したのは兄の会長で。
「ナタリア!!何で俺を選んだんだよ!!
頭脳も肉体もてめぇの方が上だろうがよ!!」
「あ?どうしてそんな面倒くさそうなのに俺が出払わなくてはいけないのだ。
だからお前に押し付けた。只それだけだ。」