勇者な二匹
ただ一つ、振り分けに問題がある。
「ウーラはラビィと。」
それですよ。
「なぜ僕がウーラ先輩となんですか!?」
「しょうがないだろう。
奴は誰とも組む気がないからだ。」
「だったらなぜ僕と組ませたんです!!」
「ペットを飼い慣らすには優秀な飼い主が必要だからだ。」
…会長は鬼畜な毒舌なんですね。
「おい、そこの女。」
「…はい?」
「俺のテリトリーには絶対入ってくんじゃねぇぞ。」
「そ、そのくらいわかってますよ!!」
だからそんな怖い目で睨まないでくださいよ!!
「ちっ…」
「すいません…」
全く、女の僕にそこまでキレなくてもいいじゃないか…。
…あれ?僕は女の子だって言ってなかったっけ?
白のカッターに赤のストライプリボン、キャラメル色のブレザーを羽織り、灰地のチェックスカートを履く。
そんな僕は、正真正銘生まれながらの女の子だ。
誤解させてしまっていたようなら大変申し訳ない。